ラムサール条約湿地「東海丘陵湧水湿地群」とは。

豊田市自然観察の森は、市街地の近くにあって気軽に自然を楽しむことのできる場所です。そして、その森の中にはラムサール条約に登録されている湿地があることをご存知でしょうか。今日は、ラムサール条約湿地についてお話したいと思います。

ラムサール条約と世界湿地の日

実は、先月の2月には、「世界湿地の日(2月2日)」がありました。
1971年2月2日にラムサール条約(正式名称:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)がイランのラムサールで採択されました。採択された地名にちなみ、一般的には「ラムサール条約」と呼ばれており、その日を「世界湿地の日:World Wetlands Day」としたのです。

愛知県にある2か所のラムサール条約湿地とは?

ここ愛知県にはラムサール条約に登録されている湿地が2ヶ所ありますが、どこかご存じでしょうか。
1か所は、名古屋市・飛島村にまたがって川の河口部にある「藤前干潟」、もう1か所は豊田市にある「東海丘陵湧水湿地群(とうかいきゅうりょうゆうすいしっちぐん)」です。
東海丘陵湧水湿地群は、矢並湿地、恩真寺湿地、上高湿地の3湿地がまとめて登録されました。
今回は、この「東海丘陵湧水湿地群」についてご紹介したいと思います。

湧水湿地(ゆうすいしっち)ってどんなところ?

湿地と聞いてイメージするのはどのような風景でしょうか。
釧路湿原や尾瀬ヶ原などを思い浮かべるかもしれません。東海丘陵湧水湿地群を形成する「湧水湿地(ゆうすいしっち)」は、寒冷地の河川が作ったそれら広大な湿地とは成り立ちが違い、比較的温暖な地域で、名前が示す通り、湧水が湧き出し地表を流れるような場所にできる湿地で、面積もそれほど広いわけではありません。

東海丘陵湧水湿地群(豊田市)について
矢並湿地
上高湿地
恩真寺湿地

この「東海丘陵湧水湿地群」には、ヘビノボラズやミカワシオガマ、シラタマホシクサ、シデコブシなど、東海地方特有の種が多く生息、生育しています。

これらの植物は、他の植物との競争に弱く、日当たりのよい貧栄養の湿地を好みます。

湧水湿地は放置すれば森になりますが、土砂崩れなどによって新たにできるものです。そのため、一つの湿地が消失しても、土砂崩れなどによって新たに湿地ができて、これらの植物の生息地が失われることなく受け継がれてきました。
このような湿地が、かつては東海地方に多く点在していましたが、現在は土砂崩れが起きにくく湿地が新たにできることは少なくなっていることに加えて、開発や農耕地などの利用によりどんどん消失しています。

貴重な湿地を残していくための活動

そこで、湿地と湿地に暮らす動植物を守るため、地域の小学校やボランティア・企業など多くの方々が保全活動を行い、湿地と動植物は守られています。そのような保全活動などに興味がある方は、ぜひご連絡ください。豊田市自然観察の森のネイチャーセンターでも、情報提供をしています。

また、より多くの方にラムサール条約湿地「東海丘陵湧水湿地群」を知ってもらえるよう、豊田市自然観察の森では各湿地での観察会を実施しています。ぜひご参加ください。

ラムサール条約湿地を見学するツアーを実施!

普段は立ち入りができない「恩真寺湿地(おんしんじしっち)」を森のスタッフの案内で見学するツアーを実施します。
春は、東海丘陵要素植物の1つでもあるシデコブシのお花が見られるシーズンです。この機会に、ぜひツアーに参加し、ラムサール条約湿地を見学してみませんか?

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